……え?


背筋が震え上がる音がした。


待って?

気のせいでしょうか。なんか今肩に乗ってる?

それにめちゃくちゃ聞き覚えのある声も聞こえたような……。


「無視とはいい度胸だなみなみ」

「ひゃーーーっ!?」


すすす、彗!?

振り返ると、鬼みたいな顔した彼がそこにいて。


「なんで!? っていうかここ、私のクラス!」

「んなの知ったこっちゃねーよ。来い」

「うわぁっ!」


みなさん。今日私は一つ、とても重要なことを学びました。


クラスが別々でよかった。

教室は安全地帯。

ここまで来ればもう安心。


……だなんてそんなのは、ただの絵空事だっていうことを。



「ねぇ彗、離してよ! どこ行くの!? ねえってば!」


黙ったまま私の腕を引き進んでいく彗に訊くも、なんにも答えてくれない。

続々と登校してきた生徒たちを交わしながら、ただひたすら廊下を歩いていくだけ。


どうしたらいいの?

というより、なんで私彗に引っ張られて……!?