『もし俺に好きな人がいたら何? ……いたら困るの?』

『……困るよ。彗が、好きだから』


それは何度も少女漫画で見たキラキラのシチュエーションとは、まるでかけ離れていて──。



「はぁ」


やっちゃったよ〜!

こんな形で伝えることになっちゃうなんて、もう最悪。

長年秘めてきたこの想い。

伝えるならば、もっとしっかり目を見て、ちゃんとした言葉で伝えたかったのに。


なんで?

なんであの時あんなこと言っちゃったんだろう、私。

でも、どうしても抑えきれなかったんだもん。


ずっと、なりたかったから。

望んでいたから。


……お姫様に、なること──。