「……困るよ」


私はその幸せが願えないんだ──。


「彗が、好きだから」


誰にもあなたを渡したくないの。


「みな──」

「ごめんね、彗。今日はもう帰るね」


急いで荷物をまとめる。


顔を見ることはできなかった。

目が合うと、泣いちゃいそうだったから。


「じゃあねっ」


表情も変えず淡々と言い放った私は、そのまま振り向くことなく、彗の部屋から飛び出した。



ねぇ神様、教えてください。

強いお姫様には、どうしたらなれますか──?