ただの幼なじみ──なんて言ったら、逆に贅沢な気もするな。

だって幼なじみなんて、なりたくてなれるものじゃないでしょう?

だからこうやって当たり前のように隣にいられる私は、幸せ者なのかもしれないって、最近よく思う。


小さい頃から私と彗は今と変わらない関係だった。


私が困った時、いっつも彗は呆れた顔をするくせに、結局最後には助けてくれる。

そんな、不思議な関係。


昔、大切にしてた人形をなくしちゃった時に一緒に探してくれたのも、

熱が出てるのになかなか言い出せなかった私に真っ先に気づいて、代わりに先生に言ってくれたのも、

逆上がりができなくて悔しくて泣いてた時、何も言わずに最後まで付き添って練習してくれたのも、

全部全部彗だった。