「……変なやつ」


ねえ、彗。

あの噂ってホントなの?

嘘だって、言ってくれる……?


ちゃんと訊けたら一発かもしれないのにね。


今は、笑顔で振る舞うことが精一杯だったんだ。



──そうして2日が経つ頃には、何とか元気を取り戻していた。


もうね、私は考えないことにしたの。


あれはただの噂話。

誰かの見間違い。

そう思ったら、大丈夫になったというか。


樹里と美月にも心配はかけたくないし。

彗にも変だって思われたくない。


どう考えてもそれが、一番いい方法なんだ。


うん、と確かめている内に教室に担任の先生が戻ってきた。