「起きてたの?!」


思わず大絶叫。


「まぁ、厳密に言えばちょっと前に起きた」

「へぇ〜そうなんだぁ」

「……で、なんの用?」


……あれ?

冗談だと思ってくれたのかな。

ひとまずセーフ?


ドキリと汗ばむ手を握りながら、私はまた椅子に腰をかける。


「私ね、この前のこと彗に謝りたくて」

「この前?」

「だからその、体育祭の時間違えて……口にキス、しちゃったから」


……うわぁ。

言っていて体温が上がるのがわかった。

だって脳に、鮮明に焼き付いてる。


……私の、初めての、大好きな人とのキス。


「別に。あれくらいなんともねぇよ」

「ほんと……?」


嫌じゃない?

私、嫌われてないの?

……よかったぁ。


「でも!」


やっぱりお詫びはさせて?

見つめて言うと、彗は「は?」と頭にハテナを浮べた。