──なんて。


ないない!

もー、何言っちゃってるんだろ私。

謝りに来たくせにね?

一人で恥ずかし。


真っ赤になった頬を手で仰ぎながら、立ち上がる。

やっぱり寝てるところを邪魔するのはよくないし、ね!


「ねえ」


──え?


くるりと踵を返した次の瞬間。

聞こえてきた声に反射的に振り返ったら、


「彗!」


何故か寝ているはずの彼と目が合った。



「ちゅーしてくれるんじゃないの?」


ん?

うそ。

待って。