「はいりまーす」


すると。


……あれ、寝てる?

そこにはベッドで横になって目をつむる彼がいて。


「彗ー、彗くーん?」


側にあった丸椅子に座り、こっそり呼びかけてみるも残念。反応無し。


もう、せっかく来たのに。

彗ってば、気持ちよさそうに熟睡しちゃってさ。

ていうか、寝てるだけでかっこいいってどういうこと?


意外とまつ毛も長いし、肌も綺麗。

髪の毛だって、何もしてないって言ってたわりにサラサラだし。

それに……。


「っ……」


そっと、目に映った自分のそれに手を触れてみる。



……ねぇ彗。

彗は、私とキスした時どう思った?


あの時は頭が真っ白になって、どんな反応してるのかも見られなかった。



「起きないとまたちゅーしちゃうよー?」


そしたらあなたは、少しでも意識してくれる……?