「優勝は、市ヶ谷くん栢野さんカップルです!」


鳴り止まない熱い声の中、案内された壇上に上がる。


……あっ。宙くん!

このイベントのために作られたらしい特設ステージの真ん中に立った時、少し後ろの方で驚いたような気まずそうな顔をする彼と目が合った。

ちょっと……いや、かなり恥ずかしい。


「では、彼女さん一言」

「えっと……優勝できたのは彗のおかげです!」


マイクを渡され勢いで喋ってみたものの、緊張で手が震える。

……だって、みんなこっち見てるんだから。


「いや〜、白熱した闘いでしたね。みなさん、参加してくれた選手たちに拍手を!」


パチパチパチ。

司会の人の声を合図に、グラウンドが賑やかな音で彩られた。


……でもよかったぁ。

これで成績5ゲットってことだもんね。

ありがとう彗〜!


「ということで──」

「え!?」


心の中でスキップを踏んだその時。

聞こえた声に、ピタリと身体が硬直した。