「お姫様」


──ドクンッ。


「正解!」


ワアアア、と歓声が上がった。

私は一人、走り出したその人を見て呆ける。


……うそ。

覚えてたんだ。


そのまま1位でゴールまでやってきた彗。


「全問正解だなんてすごいよ!」


声をかけると、クールな瞳が私を見下ろした。


「まあ、幼なじみなんで」

「……っ」


……幼なじみ、か。


彗は当たり前みたいに言うけど。

私は、私のことを覚えてくれてたことが特別で嬉しいんだよ──。