「決まっちまったもんは仕方ねぇよ。つーか、出るからには1位狙うけど……いいの?」

「え、そんなのもちろん! 私も彗も同じ負けず嫌いだもんね。絶対勝とう!」


そうよね。

もう出場は決まってるんだもん。

いつまでもくよくよ言ってる場合じゃない。


「そうじゃねーんだけど……」

「ん、なんて?」

「……や。まあ、頑張ろーぜ」

「うん!」


巡り巡ってやってきた目の前のチャンス、活かさなきゃ絶対損よね。

……恋も、成績も。

どっちも全力で勝ち取ってやるんだから!


「それでは、次のプログラムに移ります──」

「あ、来たね彗」


ドキドキする。

チラッと見上げると、すぐに目と目が合って胸が騒いだ。