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……まさか。

まさか、こんなことになるなんて……!


「ほんとごめんね、彗」

「……みなみのせいではないだろ」


申し訳ない気持ちいっぱいで謝る私に、彗がため息混じりにそう返した。

お前のせいではない。

厳密に言えばそう、なのかもしれないけど。


「でも、あれだけ嫌がってたのに。こんなことになっちゃって……」


──今私と彗がいるのは、入場門前の待機列。

なんで二人でそんなところにいるのかって?


それは、どういう訳か出場することになってしまったからだ。

カップル対抗戦とやらに。


呼ばれて本部に行ってみたら、そういうことになってて。

すぐさまあの時見た樹里の黒い笑みの訳を知ることとなった、というわけだ。

席に戻り問い詰めてみれば、勝手にエントリー用紙を提出してたんだと。

……そんなの誰が予想できる?