「そんなふうに思えるの、すごいや」


──織姫様と彦星様みたい。


ぎゅっと、スカートのポケットに入れたキーホルダーを握る。

彗と一緒に買った、天の川のキーホルダーだ。

あの日から私は、それをお守り代わりに肌身離さず持っている。


初めてのお揃い。

持っていると彗が近くにいてくれるような、そんな気がするから。


「きゃ〜!」


とその時女の子たちが騒ぐ声がして、その方を向く。

すると。


「宙くん!」


ジャージ姿の彼が、こっちまで歩いてきてるのがわかった。

……今日はスーツじゃないんだ。


「もしかして、これから走ってくれるの?」

「うん、そのつもりだよ」


話しかけるとにっこり。キラキラ爽やかスマイルを繰り出した宙くん。

一撃でやられたらしい女子たちが、またもや楽しそうに「きゃ〜」と声を上げた。