「もーいーよ」

「え、いいの?」


続けて聞こえてきた言葉にぱああっと目を輝かせる。

しかし、物事はそう上手くはいかないようだ。


「違う。参加は絶対にしねえ。諦めろ」

「えーー!? そんなあ」

「じゃーな」


呆気に取られる私なんて完全無視で、彗は門の中へと入ってしまった。


しゅーん……。

ひどい。冷たすぎる。

諦めろとか、そこまで言わなくてもいいじゃん。


「彗の意地悪ーー!」


私は消えゆく後ろ姿に渾身の怒りを込めて叫んだ。

しかし彗にはこれっぽっちも堪えなかったのか、私に後頭部を向けたままはいはいとテキトーに受け流すようにひらりと手を上げただけだった。