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「ねぇ、お願い! 一生のお願い!」


とある家の前。

茜色をした空に私の声が高らかに響き渡った。



「……もう聞き飽きた。お前の一生は何回あんだよ」

「そんなこと言わずに、ね?」

「この前で最後って言ったよな」


うっ。そう言われてもさあ?

さっきから必死で頼み込んでるのに、全然聞く耳持ってくれない彗が悪いんじゃないの。


帰ってきて早々、家の前で待ち伏せしてた私が怖かったのかなあ?

それとも、職員室前で宙くんのこと詮索したの怒ってる?

わからないけど、今日は帰るの別々だったしこれしか思いつかなかったんだもん。


ちょっと強引だったかな、とは思う。

でもそれも仕方ないんだって。