「性格も、イケメンなの!」


なんだか悔しくなって頬を膨らませた、その時。


「おはよー、みなみちゃん樹里ちゃん」


ひょっこり、天使の笑みをした少女が現れた。


「おはよ、美月〜」


私はすかさず、その彼女に縋り付く。

ゆるふわの茶色いセミロング。

そして、笑った時に八の字になる眉が可愛い彼女の名前は、花柳(はなやぎ)美月(みづき)

樹里と3人で、高一から一緒のいつもの仲良しメンバーだ。

私が樹里にいじめられた〜って話したら、美月はよしよしと頭を撫でてくれた。


──というか。

これって樹里と美月に話すべき?

ふと頭に思い浮かべるのはついさっきのこと。

クラスに入ってからそれとなくタイミングを窺ってはいたけど、二人とも揃ったわけだし。

今が、その時だよね?

そう思った私は口元に手を当て、密やかに唇を動かした。


「あのね、他の人には内緒にしてほしいんだけど──」