「……彗はそういうの参加してくれそうにないし」


目立つくせに自分から目立つことをするのは嫌うのよね、彗。

私だってそういうのはあまり得意じゃない。

……そりゃあ、ちょっとはいいなぁと思うけど。



「うん。やっぱりないよ」


運動苦手な私が参加なんて、恥さらしもいいところでしょう?

それに、そもそも私と彗は本物のカップルじゃないし……。


「……ふーん。アンタ、知らないの?」


淡い憧れを打ち消しありえない話だと手を振ったら、樹里が目を細め意味深な笑みを浮かべた。



「なによ」

「優勝賞品」


優勝……賞品?


「喉から手が出るほど欲しいものだと思うんだけど」

「え……?」