今日の1時間目は日本史だった。

しかも、担当はいきなり宙くん。


挨拶の時にちらっと言ってたけど、どうやら宙くんは、日本史専門らしい。


……それにしても。


「では、38pを開いて──」


宙くんが学校にいるのってなんだか不思議。


カッ、カッ、カッ。

黒板に文字を書く背中が、心做しか以前に見た時より大きく見えて変な気分になる。

昔はよく一緒に遊んでたのになぁ。

記憶よりも大人びたその姿に、嬉しさと切なさが込み上げてくるのはなんでだろう。


……彗は。

彗は宙くんが来たの、嬉しくなかったのかな。

知ってたのに教えてくれなかったなんて。

それとも恥ずかしかっただけ……?


佐渡くんとの会話を思い出しながらそんなことを考えているうちに、もうお昼休みになっていた。