「彗は怖くないよ」

「そおー?」

「ちょっとクールなだけなんだから」


たしかに、仲良くしてる友達は〝ザ・一軍〟って感じの派手なグループで。

彗も黒いリングピアスとかつけてて、目つきも二重のくせにちょーっと悪いし、無愛想だけどさ。


……あ、悪口じゃないよ?

話してみたら、絶対印象変わると思うんだけどなぁ。


「……ふーん」


脳内でプレゼンテーションを繰り広げてる最中、樹里が呆れた顔をした。


「まあ顔はめちゃくちゃイケメンだもんね〜」


なんて、嫌味を吐きながら。


……やっぱり樹里はわかってくれないみたい。