「で、どうする?」


聞こえた声に意識を取り戻すと、彗が真っ直ぐにこっちを見ていた。

私は、同じように真っ直ぐ見つめ返す。


狡いかもしれない。

それでも私の答えは一つだった。

形だけでも、彗のお姫様になれるのなら。



「よろしくお願いします!」



はっきりと、自分に言い聞かせるように言った。


あの時取れなかった手を今度は掴んで離さないように。

少しでも、あの時の後悔を埋めるように。



「じゃあ、そういうことで」

「うん! 彗ありがとーっ!」

「っ!? おい」


嬉しくっていきなり抱きついたら、ちょっと怒られちゃった。

でもそんなの気にするわけない。


「いいでしょー? 私、まだ彗の彼女なんだから」

「……ったく」


まだもう少し、この特権を存分に味わっちゃってもいいよね?


大好き。

大好きだよ、彗。


溢れる想いをぎゅーーーっと抱きしめる腕に込める。


この想いが全部、伝わってくれたらいいなぁ。

なんて願いながら。



……ねぇ彗。

あなたは今、私のことどう思っていますか……?