青春の全てを詰め込んだ文化祭は、誰がなんと言おうと、大成功だった。

「澪音ー!お疲れ様!」
「うん、お疲れ!」

体育館の裏から、衣装のまま現れた朱里とハグをする。

今日まで必死に創り込んだ、面白いも感動も全て詰め込んだ盛りだくさんの劇は、先生にも生徒にも大好評でたくさんの拍手に包まれた。

大道具を運び出して、自然と輪になったクラスメイトに笑みを零す。

「え、え?なにこれ」
「あはは、なんか、こうなっちゃった」

誰が喋るわけでもなく作られた輪に、ちらほらと笑い声があがる。

「よっしゃ、みんな最高!おつかれー!!!」

衣装に身を包んた旭陽が、そう叫びながら大きく手を挙げた。

「おつかれー!!」
「大成功!!!」
「楽しかったああー!」

それを合図に、みんなが思い思いの言葉を叫んで笑い合う。

掲げられたたくさんの手を見上げると、雲ひとつない明るい空が見えて、私は眩しい太陽に目を細めた。