多少の予定のズレは、咄嗟の判断力と行動力で何とかできてしまう朱里と大輝のおかげで、計画は順調に進んでいた。

旭陽のもつカリスマ性でクラスはみんなやる気を持って準備に参加してくれるし、優秀な委員の中で私も動けていることが誇らしい。

4月の頑張りが功を奏して、私達は、平穏なゴールデンウィークを迎えていた。

私はというと、体調のこともあり、家族でのんびり過ごす休日になっていたわけだけど、勿論それも悪くない。

「あっ、旭陽くんー!いらっしゃい!入って入って!」

嬉しそうな母の声が聞こえ、私は庭に出されたキャンプ用の椅子から玄関の方を眺めた。

家へは入らず庭へと顔を見せた旭陽に肉を持ったままの手を横に振る。

少し緊張したような面持ちで、ヘラりとした笑顔を張りつけた旭陽は、小さくその手を振り返した。

「旭陽ー!来てくれてありがとねー!遠慮せずどんどん食べなよー!」

ゴールデンウィーク最終日の5/5。
毎年恒例の花岡家のBBQに旭陽が参加するのは、例のとおり、小学4年生以来5年振りのことだった。