「わっ……!」

はっと顔をあげればいつの間にか出かけていたはずの修哉が副社長室に戻ってきていた。私は思わず口元を覆った。

「しゅ、修哉いつの間に……」

「さっき帰ってきたが、恋がなにやらスマホを見ながら考え事してたみたいだったからな」

「恥ずかしい……」

「俺は嬉しいけどな」

そう言うと修哉は私の頭をそっと撫でる。修哉とはまだキスすらしていない。修哉は私の気持ちが固まるまでスキンシップは手を繋いだり、髪や頬に触れるだけにすると言ってくれており、有言実行してくれている。

「もっと俺に溺れてくれて構わない。むしろ全力で溺れさせてやる」

「や……ちょっと……」

「毎日口説くもんだな。俺の言葉に顔を真っ赤にする恋が最近可愛くて仕方ない」

修哉は二人きりになれば必ず可愛い、綺麗と私に甘い言葉を連発してくる。

「も、やめて……恥ずかしいよ」

「じゃあ今日はこの辺りにしておく。それにもっと恋とこうやっておしゃべりしてたいが、もうすぐパーティーの時間だしな」

「あ、うん」