「ん……しゅう、ちゃん……」

私が瞼を擦りながら目を開ければ、長いまつ毛を揺らしている修哉の綺麗な寝顔がこちらを向いていた。

「えっ……?!」

私はガバっと起き上るとすぐに辺りを見渡す。私は寝心地抜群のスプリングの効いたキングベッドの上に居て、周りはクローバーデザインのハイグレード商品である大理石と天然ヒノキを使用した『ダイヤモンドクローバーシリーズ』の家具が並んでいる。

(す、すっごい豪華な部屋……家具ひとつ数百万円はするわよね)

(これはどうゆうこと? まだ夢の中?)

そう思った私は自分の頬っぺたをぎゅっとつねってみるが普通に痛い。

「痛っ……え、もう何がどうなって……」

「──起きましたか?」

「きゃあ……っ」

隣で眠っていたはずの修哉が起き上がると、毛布がはらりと修哉の腰元に落ちる。私は修哉の鍛え上げられた上半身に思わず顔を背けた。そしてすぐに自分の着ているワンピースに乱れがないか確認する。

「大丈夫ですよ、添い寝しただけで《《まだ》》何もしてません」

(ま、まだ?!)