…そんなことを思いながら、ぼーっと外の雨を眺めていると、急に


"カシャッ"


という音が横から聞こえてきた。
私はびっくりして思わず音のした方を振り返った。

すると、そこには、篠田くんがいて、私の方にカメラを向けていた。

彼はハッとした顔をして

「…あ、ごめん、君の横顔がとても
綺麗だったからつい…」

と言ったあと何故か、彼の方が少し驚いた顔をしていた。

私の方は、急にそんなことを言われると思っていなくて、少し嬉しいような恥ずかしいような気持ちになっていた。


きっと今の私は、色んな感情が混ざっていて、変な顔になっているだろう。そして、彼の方は少し動揺しているように見えた。

それから彼は、

「君、写真部だったよね?名前は確か…

花笠さん?だったっけ?」

と言ってきた。さっき彼が驚いていたのはきっと顔が見えていなかったから、今、私だと知って驚いたのだろう。それから、今度は私の方が彼の発言に少し驚いてしまった。