そんなことを思っていると、駅が見えてきた。
改札を通り、空いているベンチで電車を待つ。
部活のない生徒はもう前の電車に乗ってしまっているし、部活動の生徒はまだ帰らないしで、中途半端な時間のせいか、同じ学校の生徒はほとんどおらず、人がまばらである。
そんな中、周りを見渡すと、隣のベンチに、一人だけ同じ制服を着ている男子生徒を見つけた。
彼は私と同じ写真部の篠田夜空だった。最初の部活の自己紹介を聞いた時、どんな字を書くんだろう、という感想を抱いていた気がする。さらに彼とは同じ学年なのだが、ほとんど話したことは無い。
理由は単純で、彼が何を考えているのか分からず、話しかけづらいからだった。
そして、彼の行動として特に理解できないことがふたつ私にはあった。