一通り写真の話をし終えたところで、私は今まで気になっていたことを聞いた。単純に気になっていたのもあるけれど、彼ともう少し話していたかった。
「…ねぇ、なんでいつもここで待ってるの?」
私がそう聞くと、彼の周りの空気が変わった。
「…家に、帰りたくないんだ。だから、なるべくここで電車を待って、家に帰る時間を遅くさせてるんだ。」
そういう彼の瞳には、寂しさが滲んでいる。あんまり聞いてはいけない話だったかも…。それから、彼の顔があまりにも寂しそうだったから、私は気づけばこんなことを口に出していた。
「そうなんだね。じゃあさ、今日一緒に遊んでから帰ろ!そしたら家に帰るのはそんなに早くならないでしょ?」
そう私が言うと彼は少し驚いた顔をしていた。それと同時にどこか嬉しそうな顔をしている。
…かわいい
「え、いいの?」
「うん!いいよ〜あんまり遅すぎるのは無理かもしれないけど…」
「ううん、ありがとう」
「じゃあとりあえず次来る電車一緒に乗ろ!」