「確かに安永未央です、春名先生」

未央は声の方を向いた。

「お久しぶりです、よく私だとわかりましたね、まさか東京でお会いするとは…」

「出張で来たんだ」

「教師がガールズバーなんて大丈夫なんですか?」

「教師にはなってない、普通の会社員だ」

「そう…なんですね」

失礼しますと言って未央は歩き出した。

「何でこんなバイトをしてる?」

春名先生はついてくる。

「お金の為にきまってるじゃないですか」

「確かに安永んちは…」

「変わるんですよ!」

少し大きな声を出してしまった未央

足早に家に帰るとそのままベッドに潜り込む。

春名先生はかっこよくて優しくて生徒にも人気者

たった2週間で女子高生の心を掴んでしまう人…

数学が苦手だった私は毎日先生に教えてもらい、なんとか赤点を回避できた。

少し大人になった春名先生は相変わらずかっこよかった。



「くっしゅん!」

暖房を節約の為に入れてなかった未央は寒さで目が覚めた。

今は大学は冬休みだからゆっくり睡眠時間が取れるのに…