年間の授業料、科ごとの参考書代、家賃と生活費…

とりあえずはこの10万近いマンションの家賃を基準に家計簿を作っていって自分のパソコンに打ち込んでいると玄関の開く音がした。

「あれ?」と晴海くんの声が聞こえる


「未央〜、帰ってんの?」リビングダイニングに入ってきた晴海くんは少しびっくりした顔をしていた。

私が泊まるかもと言っていたからだと思う。

弥生ちゃんと一緒には帰って来なかっただけでも少し冷静でいれたかもしれない…


パソコンに向かっていた私を「おかえり〜」と横から軽くハグをしてくる。

「うん」と私は返事をすると晴海くんは洗面所に向かった。

あれ?

「未央〜、俺の歯ブラシは?」

「捨てたよ」

「何で?」

「晴海くんが浮気したから別れようと思って」

喋ると泣きそうになるのを必死でこらえて冷たく言った。

「え?」

明らかに動揺している。

「う、浮気?」

「私のいない時に弥生ちゃんを連れ込むなんて晴海くんはどういう気持ちで人の家に入れたのかなって…」

「ど、どうして…それを?」

「私…夕方帰ってきたんだよね、玄関に靴があってさ、乗り込もうとしたけど…2人のそういう所見たくないと思って外にいたの」