「未央、悲しい事言うなよ」

「仕方ないの、遊びに行けないんだもん、大丈夫、友達なんていなくても生活はできる事を知ったもん」

「じゃあ、明日は俺とデートな」

「うーん、まあお兄ちゃんしかいないから仕方ないか(笑)」

「この〜」

「やー、助けて(笑)」

仕事がなければこんなに笑うのにな…

ボーッとテレビを見ていた未央は思い出したように透に声をかけた。

「やばっ、課題すっかり忘れてた」

「正月から勉強かよ」

「図書館て閉まってるよね」

「だろうな」

「お兄ちゃん、パソコン貸して!」

「あれ、あそこにあるのは?」

「壊れてるの、修理代もったいなくて大学の図書館とかパソコンルームで課題はこなしてたの」

「仕方ないなぁ…」

透は自分のパソコンを立ち上げると仕事関係のデータを隠して、未央に貸した。

「ありがとう、今日終わらすからね」


1時間ほど経つと未央は背伸びをした。

「ちょっと煮詰まってきた、散歩してくる」

「気をつけろよ」