「おにひちゅあん」
口唇が引っ付いたままで上手く喋れない。
お兄ちゃんが足を絡ませてきて体勢が変わり口唇は外れた。
「お兄ちゃん、ねぇ、起きてよ」
「ん、寒いだろ、もっと引っ付きたい」
「動けないのよ」
「いいじゃん」
「ちょっと離れて、その、当たってるから」
「ん?自然現象だから仕方ないんだよ、全く男を知らないな」
そうだけどもさ…
「トイレに行きたいのー!」
「悪い」
お兄ちゃんは離してくれて、無事にトイレも行けた。
テーブルにはお雑煮が出てきた。
「ねぇ、私4日間の休みで何キロ太るかなぁ」
「未央は痩せすぎだからもうちょい太れ、そして運動だな、そしたらもっと可愛くなる」
「えー、それじゃあ今は可愛くないみたいじゃない?」
ぷくーっと拗ねた。
「もっとって言っただろ、高校の時可愛くてずっと見ていたかったよ」
高校の時なんて顔パンパンだったよと未央は嫌みたいだったが、楽しそうにいつも笑っていたからな
「未央、明日は何か用事はある?」
「ないよ、私今友達もいないし」