4時間ほど寝ると自然に目が覚める。

未央が目を開けるとお兄ちゃんに包まれていた。

そうだ、お兄ちゃんと寝たんだった。

う、動けない……

未央はゆっくり透の腕の中から出ようと方向を変えてみる。

するとお兄ちゃんの腕はウエストに回された。

「ひやぁ」

「ぷっ、なんだよその声は、もっと色っぽい声出せないのかよ(笑)」

「むぅ〜、起きてたんだね」

「寝れた?」

お兄ちゃんは耳元で囁いてくる。

「…こそばいよ、悔しいけどすごくよく寝れたよ」

「可愛いな、未央」

ちゅっ!

ん?頬に口唇の感触が…

「お兄ちゃん!」

「ん?」

「変な事しない約束でしょ?」

「変な事?素直な行動じゃね?可愛いと思ったんだから」

そもそも未央の変な事って何だよと逆に聞かれた。

「その…」

「言えないじゃん」

「…せ…せ…」

「何?」

どうしよう、恥ずかしくて言えない…

お兄ちゃんが肩を揺らして笑い始めた。

「もう、意地悪!」

「ごめん、ごめん、でもキスは良くない?この前もしたし」

「えっ?」

「熱ある時に薬飲ませた、まああれをキスと言えるのかは俺の中ではちょっとだけどな」