「そろそろ疲れたね」
 
 ミエが、言った。

「そうだな。ちょっとあそこのベンチで休憩しよっか」

 キョウイチが、それに応えた。

「そうだね」




 二人は、ベンチに座った。


「なぁ、ミエ?」


「なぁに?」


「いつも俺といてくれて、ありがとう」


「どうしたの? 急に」


「いや・・・なんでもない・・・」


 輝く太陽。




「青い・・・空・・・綺麗・・・・・・」


 ミエが、そっと言った。


 キョウイチは、その言葉につられ顔を上へあげる。


「ほんと・・・綺麗だな・・・・・・」



「この綺麗で青い空が永遠とつづけばいいのに」



「俺たちがいなくなっても、永遠につづくと思うな」



「そうだといいんだけどなぁ・・・」


「わぁー!!」


 ミエの顔に柔らかい風が滑った。



「気持ちいい――――!!」


 ミエは、はしゃいで見せた。


「ハハハ」


 キョウイチは、笑った。



「なによぉ。一人で笑わないで、一緒にあそぼ!!」



「いいよ。もう。十分だよ。十分」



「つまんないのぉ」



「ミエ?」



「ん?」



「やっぱ、何でもないや」


「もう! 先に行ってるよ!!」


「分かったよ。分かった」





青い風が、二人を優しく包んでいた。