「おかあさま。リリーおねえさま、ほんとうにきれいね」
隣に座る娘のフローリアがうっとりしたように呟き、クリスティーナも笑みを漏らす。
肩まであるふわふわのブロンズの髪をハーフアップで束ね、リボンで飾った今日のフローリアは、夢見る乙女のような愛らしさだった。
「そうね。フローリアもいつかあんなふうに、ウェディングドレスを着て結婚するのよ」
「ほんとう?」
フローリアは目を輝かせてクリスティーナを見上げる。
その可愛らしさに、ふふっと微笑んだ時、フィルのガーン…と打ちのめされたような顔が視界に入った。
「ク、クリスティーナ。フローリアはまだ3才だぞ?」
「そうよ?なのにもう、花嫁の父みたいに寂しがってるの?フィルったら」
「それはそうだろう?こんなに可愛い娘を嫁にやるなんて、想像しただけで耐えられん」
ブルブルと頭を振るフィルに呆れて、クリスティーナはフローリアと顔を見合わせる。
「楽しみね、フローリアのウェディングドレス姿」
「ええ。おかあさまもね」
「え?お母様もウェディングドレスを着られるのかしら?」
「もちろん。おかあさまはとってもきれいだもの」
「まあ!ありがとう、フローリア」
ク、クリスティーナ、一体何を言って…と、またしてもフィルは絶句している。
そんなフィルに思わず笑ってから、クリスティーナは視線を上げてリリアンの幸せそうな笑顔を見つめた。
(早いなあ。あんなに小さかったリリアンがもう二十歳で、しかもお嫁に行くなんて。でも私も結婚したのは18の時だから、そんなに早くもないのか。それにお嫁に行くって言っても、私からすればお嫁に来てくれるって感じね。リリアンはアンドレアと一緒にこれから王宮に住む訳だから。わあ、楽しみ!)
誓いのキスを長々と交わす二人にドギマギしながら、クリスティーナはフローリアと長男のアレックスに声をかける。
「二人とも準備はいい?このお花のカゴを持ってね」
「はい、お母様」
利発なアレックスは、コクンと頷いてカゴを受け取ると、フローリアの手を引いてバージンロードに歩み出た。
「愛する二人に永遠に神のご加護があらんことを」
司教の言葉のあと、パイプオルガンが鳴り響き、アンドレアとリリアンが腕を組んでバージンロードを歩き出す。
その先頭で、アレックスとフローリアがカゴから花を掬い、バージンロードにまいていく。
「まあ、なんて可愛らしいのかしら。アレックス王子もフローリア王女も、こんなに大きくなられたのね」
衣装を着て凛々しく歩くアレックスと、にこにこと愛嬌を振りまくフローリアに、列席者の間にも笑みが広がる。
「マックス王子も、本当に可愛らしいこと」
まだ1才のマックスは、クリスティーナの腕に抱かれ、パチパチと小さな手を叩いて拍手していた。
「この国にとって、フィリックス様とクリスティーナ様ご夫妻が希望の光ですわ」
「本当に。この先も我々を明るく照らし続けてくださるでしょう」
「輝く未来の国王と王妃。まあ、なんて私達は幸せな国民ですこと」
「アンドレア様とリリアン様のお子様も、楽しみですわね」
列席者は笑顔で頷きながら、バージンロードを歩く新郎新婦、そして小さなプリンスとプリンセスに惜しみない拍手を送っていた。
隣に座る娘のフローリアがうっとりしたように呟き、クリスティーナも笑みを漏らす。
肩まであるふわふわのブロンズの髪をハーフアップで束ね、リボンで飾った今日のフローリアは、夢見る乙女のような愛らしさだった。
「そうね。フローリアもいつかあんなふうに、ウェディングドレスを着て結婚するのよ」
「ほんとう?」
フローリアは目を輝かせてクリスティーナを見上げる。
その可愛らしさに、ふふっと微笑んだ時、フィルのガーン…と打ちのめされたような顔が視界に入った。
「ク、クリスティーナ。フローリアはまだ3才だぞ?」
「そうよ?なのにもう、花嫁の父みたいに寂しがってるの?フィルったら」
「それはそうだろう?こんなに可愛い娘を嫁にやるなんて、想像しただけで耐えられん」
ブルブルと頭を振るフィルに呆れて、クリスティーナはフローリアと顔を見合わせる。
「楽しみね、フローリアのウェディングドレス姿」
「ええ。おかあさまもね」
「え?お母様もウェディングドレスを着られるのかしら?」
「もちろん。おかあさまはとってもきれいだもの」
「まあ!ありがとう、フローリア」
ク、クリスティーナ、一体何を言って…と、またしてもフィルは絶句している。
そんなフィルに思わず笑ってから、クリスティーナは視線を上げてリリアンの幸せそうな笑顔を見つめた。
(早いなあ。あんなに小さかったリリアンがもう二十歳で、しかもお嫁に行くなんて。でも私も結婚したのは18の時だから、そんなに早くもないのか。それにお嫁に行くって言っても、私からすればお嫁に来てくれるって感じね。リリアンはアンドレアと一緒にこれから王宮に住む訳だから。わあ、楽しみ!)
誓いのキスを長々と交わす二人にドギマギしながら、クリスティーナはフローリアと長男のアレックスに声をかける。
「二人とも準備はいい?このお花のカゴを持ってね」
「はい、お母様」
利発なアレックスは、コクンと頷いてカゴを受け取ると、フローリアの手を引いてバージンロードに歩み出た。
「愛する二人に永遠に神のご加護があらんことを」
司教の言葉のあと、パイプオルガンが鳴り響き、アンドレアとリリアンが腕を組んでバージンロードを歩き出す。
その先頭で、アレックスとフローリアがカゴから花を掬い、バージンロードにまいていく。
「まあ、なんて可愛らしいのかしら。アレックス王子もフローリア王女も、こんなに大きくなられたのね」
衣装を着て凛々しく歩くアレックスと、にこにこと愛嬌を振りまくフローリアに、列席者の間にも笑みが広がる。
「マックス王子も、本当に可愛らしいこと」
まだ1才のマックスは、クリスティーナの腕に抱かれ、パチパチと小さな手を叩いて拍手していた。
「この国にとって、フィリックス様とクリスティーナ様ご夫妻が希望の光ですわ」
「本当に。この先も我々を明るく照らし続けてくださるでしょう」
「輝く未来の国王と王妃。まあ、なんて私達は幸せな国民ですこと」
「アンドレア様とリリアン様のお子様も、楽しみですわね」
列席者は笑顔で頷きながら、バージンロードを歩く新郎新婦、そして小さなプリンスとプリンセスに惜しみない拍手を送っていた。