目が覚めた時には、塔の窓から見える太陽はかなり傾いていた。

「お目覚めですか?クリスティーナ様」
「ケイティ。今は何時頃かしら?」
「夕刻の5時ですわ」
「そんなに眠っていたのね」

おかげで身体はかなり軽く感じられる。
これならなんとか動けそうだと、クリスティーナはまた考えを巡らせ始めた。

一度部屋を出たケイティが、夕食を持って戻ってくる。

今回はパンだけでなく、スープやチーズもあった。

「申し訳ありません。これが精一杯でして…」
「いいのよ、ケイティ。ありがとう」

恐らくこっそり持ってきてくれたのだろう。
クリスティーナはひとくちずつ、ありがたく味わった。