日が落ちると近くの街で宿に泊まりながら、ようやく3日目にスナイデル王国行きの船に乗った。

「わあ、海よ!どこまでも水平線が広がってるわ。綺麗ね」

ふう、ヤレヤレ。船ならご機嫌で乗ってくれる、とフィルは安堵のため息をつく。

そして王宮を出発してから4日目に、ついに二人はスナイデル王国へとたどり着いた。

「これはこれは。遠い所をようこそお越しくださった」
「スナイデル国王陛下と王妃陛下におかれましては、ご機嫌麗しく。コルティア国王太子フィリックスと妃のクリスティーナにございます。お目にかかれて光栄に存じます」

早速通された謁見の間で、二人は深々と挨拶する。

「まあ、お若くて見目麗しいお二人だこと。三人もお子様がいらっしゃるとは思えないわ。コルティア国は、益々栄えていかれるでしょうね」
「ありがたきお言葉にございます。王妃陛下」

スナイデル国王と王妃は即位して3年目で、年令も40代半ばと若く、二人の王子がいるが、どちらもまだ10代とのことだった。

長旅でお疲れでしょう。ゆっくり休んでくださいねと言われて、手短に謁見を終える。

二人は広々とした豪華な貴人の間に案内された。