「あっそうだった」
桜は今思い出したようだ。
「鈴は委員会、何に入るの?」
「私は図書委員かな」
「本当に本好きなんだね。でも、うちの学校ってめちゃくちゃ本あるから、大変なんだって。私には無理かも」
何年か前に今の司書教諭がきた頃から、大幅に図書室のリニューアルをしたらしい。
そのおかげで、利用者が増えたようだ。
「そうなんだ。頑張らないと」
チャイムがなり、担任の先生が入ってきた。
みんな急いで席に着く。
「それでは、今から委員会を決めたいと思います。自分の希望する委員会に手を挙げてください」
次々と委員会が決まる中、図書委員だけが私一人という状況になってしまった。
委員会は一つにつき最低でも二人は必要だ。
「誰か、図書委員に入ってくれる人はいませんか?」
誰も手を挙げようとしない中、一人の生徒が声を上げた。
「俺、図書委員入ります」
手を挙げていたのは、浜崎裕だった。
「じゃあ、図書委員は、西沢さんと浜崎くんで決まりね」