次の日。
私は、学校へ向かうために電車を駅で待っていた。
通勤ラッシュで人で混み合う中、私はある人物を見つけた。
浜崎裕。
黒髪にピアス、端正な顔立ちをしているので、一際目立って見えた。
学校では知らない人はいないと言うほどの有名人で、同じ学年の女子や2年生や3年生の先輩たちまで浜崎くんの噂は広がっていた。
ここまで噂になるのは、顔がイケメンというだけではない。
入学式のとき、新入生代表で挨拶をし、部活の体験で各部活を回っていた時にスポーツ関係の部活で先輩たちにも引けを取らないほどの実力を見せたのだ。
おかげで翌日から、多くの勧誘を受けていた。
結局は、どの部活にも所属はしなかったようだが。
おまけに男女問わず人気があって、告白は何度もされているし、多くの友人に囲まれている。
まるで少女マンガに出てくるような人物だ。
ちなみに私は一言も話したことはない。
おそらく、深く関わることはないだろう。