「みなさま。お食事をするのはここでは人が入り切らないということで、近くにある神社に移動していただくことになります。私の後についてきてください」
住職さんの後をついていくと、大きな神社が見えてきた。
「鈴、ここが私の知り合いがいる神社だよ」
隣を歩いていた桜が言った。
この神社は、代々受け継がれてきた伝統ある神社で、強力な神様を祀っている。
全国各地から、お参りに訪れる人やお祓いも行ってくれるらしい。
そういえば、桜もこの神社に助けてもらったという話をしていたのを思い出した。

「皆様、ご足労いただき申し訳ありません。どうぞ中にお入りください」
神社に着くと、白い巫女の格好をした二十代くらいの女性が出迎えてくれた。
私たちは中に入ると、客間に通された。
料理はここに運んでくれるようだ。
「百物語がはじまるまで、この部屋で過ごしてもいいんだって」