それからしばらくたって、いよいよ一学期の終了式の日になった。
「それでは、みんな、夏休みだからって羽目を外しすぎないように。以上」
先生の話が終わり、クラスのみんなは続々と下校していった。
[鈴、帰ろ」
桜に声をかけられてカバンを持って教室を出た。
「いよいよ夏休みだねー。いっぱい遊ぼうね」
「うん」
あれから、少しずつ、夏休みの計画を立てていき、だいぶ予定が埋まっている。
「でも宿題もたくさん出たから大変だよね」
すると向こうの廊下で樹くんと浜崎くんが歩いてくるのが見えた。
「2人も今帰るとこ?」
「そうだよ」
「百物語、今日の夜からだよな。お寺で夕飯も出してくれるらしいから、7時に集合だって」
なんでも、この百物語をやりたいと言い出したのは、うちの生徒会長で、先生たちも何人か引率を兼ねて参加するようだ。
「本当に生徒会長はイベントとか大好きだよね」