「じゃあ、お言葉に甘えて」

志穂さんは私たちにカフェオレを入れてくれた。
「あなた、ほんとにかっこいいわね。俳優さん目指せるくらいよ。私は高校の時なんて好きな人とカフェでお茶するなんてできなかったから、羨ましい」
「仲良くなりたかったら、誘ってみたらよかったのに」
すると、志穂さんは切なそうな顔をした。
「私は好きになっちゃいけない人を好きになったから。
周りにも相談とかできなかったなー」
「それってもう彼女がいる人とかですか?」
「ううん」
首を横に振った。
「友達の彼氏とか」
また首を横に振った。
「私が好きになった人はね、先生よ」
「え…」
思ってもみない答えが返ってきた。
「私たちも知ってる人ですか?」
「よく知っている人よ」
だとしたら、若い先生のはず。
私たちがよく知っていて若い男の先生…