19世紀の海外映画にてできそうな感じのアフタヌーンティーが運ばれてきた。
「すごい!おいしそう」
先ほどの気まずい空気をかき消すように明るい雰囲気をを取り戻した。

「おいしかったー」
ケーキと紅茶に夢中になっているうちに日が暮れてしまった。
「もう暗くなってきちゃったね。今日はこれくらいにしようか」
「あ!」
樹くんがいきなり声をあげた。
「びっくりさせないでよ。どうしたの?樹」
桜が怪訝そうに尋ねた。
「今日の夕食当番俺だった」
「え⁈じゃあ早く帰らないと!」
二人がバタバタと立ち上がる。
「ごめん!二人とも俺たち先に帰るわ!」
「志穂お姉ちゃん。茜お姉ちゃんにもよろしくね!」
「気をつけて帰るのよ?」
「うん。鈴、浜崎くん。また学校で!」
そう言って急いで出ていった。
「ふふ、二人とも元気そうでよかったわ。あなたたちはどうする?もう少しゆっくりしていったら?」
「はい。そうします」
「でも…」
浜崎くんは、遠慮しているようだった。
「実は鈴ちゃんから、あなたのこと聞いてるのよ。鈴ちゃんと仲がいいなら私も仲良くなりたいな」