野菜室からトマトとレタス、きゅうりを並べた。
「これ、切ってくれる?」
「了解」
トースターに食パンを入れて焼く。
仕上げにヨーグルトに果物を入れてデザートも作った。
焼き上がったトーストと目玉焼きを乗せてテーブルに運んだ。
「さぁ食べよ」
二人で手を合わせた。
「いただきます」
浜崎くんは最初に、目玉焼きを食べた。
「うまっ西沢さんって料理上手だね」
「あ、ありがとう」
人に料理を褒められるのは初めてだ。
「あんまり人に作ったもの褒められたことないから嬉しい。浜崎くんも野菜切るの上手だよね」
「うん。高校卒業したら一人暮らししたいなって思ってらから、料理の練習してるんだ。西沢さんは高校卒業した後のことって考えてる?」
「私は…」
将来のことなんて、真剣に考えたことがなかった。
私は将来、何がしたいのだろう。