いきなりの提案に驚いたけど、もう夜の9時を過ぎていた。
浜崎くんの家の場所を聞くと、ここから1時間くらいかかるらしい。
顔色はさっきのよりはだいぶいいようだが、まだすぐれないように見えた。
「でも、寝る場所とかどうするの?」
「大丈夫。リビングで寝るから安心して」
春になったとはいえ、まだまだ寒い日が続いている。
ソファで寝るよりも、ちゃんとした布団で寝るほうが、疲れも取れるだろう。
「あの、よかったら私の部屋に布団敷くからそれで寝て。その方が疲れも取れるだろうから」
「えっいいの?」
浜崎くんは驚いた顔をした。
「うん。具合もあんまりよくないように見えるから」
浜崎くんは渋々頷いた。