両親はいないだろうから、心配ないだろう。
隣にいる浜崎くんは、一人である方はいるものの、顔色は悪いままだった。

「着いたよ。上がって」
浜崎くんはソファーに腰掛けた。
「ちょっと待ってて今温かい飲み物持ってくるから」
お湯を沸かし、ココアを入れた。
「どうぞ」
「ありがとう」
一口飲んで大きく息を吐いた。
「ごめん。迷惑かけて」
「そんなことないよ。それよりどうしてあんなところにいたの?」
「ちょっと親と喧嘩しちゃって」
それ以上は話したくないようだ。
「だから今日は、君の家に泊まってもいいかな?」

「今、なんて?」
「家に帰りたくないから一晩泊めて」