「ここには知り合いも多いからな」
椿さんが言った。
何年か前に桜と樹くんが林間学校でこの街に来た時に、助けてもらったひとたちがいると言った。
「学校の近くに神社があるでしょ?そこの神主さんと巫女さんがその時助けてくれた人たちなの。今度紹介するね」
「あと、志穂ちゃんと茜姉ちゃんもいるからな」
志穂姉ちゃん?
「もしかして、志穂さんってカフェでバイトとかしてる?」
「うん。少し遠いけど」
「私、よく志穂さんの働いているカフェに行ってるの。いろいろ相談とかなってもらってて」
みんな驚いた顔をしている。
「そうだったんだ。最近会えてなかったからバイトしてるのも知らなかった。今度連れてってくれる?」
「もちろん」

「今日は誘ってくれてありがとう」
帰る時に三人が見送ってくれた。
「また遊びにきてね」
「はい」