「西沢」
「はい」
美術の水野先生に呼ばれ、立ち止まった。
今度の夏に出すコンクールのテーマ、どうするんだ」
「すみません。まだ何も…」
先生は困った顔になった。
「美術部で決めてないの、おまえだけだぞ」

「でも何を描いたらいいのかわからなくて…」
「わかった。強力な助っ人、連れてきてやる。明日の放課後空けとけよ」

「そっか、部活も大変なんだね」
「うん。水野先生が強力な助っ人連れてきてくれるみたいだけど」
そんな話をしながら、私は浜崎くん一緒に帰っていた。
私が告白の返事をして一週間ほど経ったけど、特に変わりはない。
今まで通りという感じだ。
ちなみに付き合っていることは、周りには言わないようにしている。
浜崎くんが、私を好きにさせたら、みんなに言ってもいいらしい。