『付き合って、やっぱり好きじゃなかったら振ってくれて全然いいから！』

「はぁ…」
「どうしたの？鈴ちゃん、元気ないわね」
心配そうな顔をされてしまった。
「志穂さんは好きでもない人から告白されたらどうしてますか？」
「そうねぇ、キッパリ断るか少しいいかもって思ったら考える時間をもらうわね」
「そうですか…」
「誰かに告白されたの？」
「学校で一番の人気者に…」
「あらあらすごいわね。マンガみたい」
「ですよねー」
「でもそういうことって、案外起きてるものよ」
私は身を乗り出した。
「そうなんですか？」
「私の知り合いもそれで結婚までしちゃったしね」
「すごいですね…」
「だから鈴ちゃんもそんなに考え込まなくても大丈夫よ。何事も経験なんだから、これを機に恋がわかるようになるかもよ」