本当によく分からない。なんで自分でもこんなことをしてしまったのか。
 本当に無意識だったから、身体が勝手に動いていたから。

「俺も信じてみることにしたわ。その運命ってヤツをさ」

「……へ?」

 ある意味、確かにこれは運命と言えるのかもしれない。 俺はそう思った。

「えっと……それは、冗談ですか?」

 俺は澪奈からそう言われて「は? 冗談でそんなこと言う訳がないだろ」と答えた。

「で……ですよね」

 だから俺は、澪奈の言うその「運命」っていうのを信じてみることにした。
 そこから、澪奈と付き合うことになって、今に至るが。

 澪奈と俺は生活環境が違いすぎるから、もちろん頻繁に会える訳ではない。 俺は休みが不規則だし、事件が長引けば会える日も少なくなるし。
 それでも澪奈は、いつも「仕事頑張ってね」とか「無理しないでね」とか、俺にエールをくれる。

 澪奈には寂しい思いをさせていることは分かっているけど、澪奈は文句一つ言わない。
 俺にとって澪奈は、ありがたい存在なんだと思う。 一緒にいれる日は、もちろん出来るだけ長く一緒にいるけど、仕事で呼び出されたりもするから、申し訳ない気持ちになることも多い。

 澪奈とは付き合って二ヶ月ほど。 これからも、澪奈と一緒の日々を過ごしていきたい。

  

【秋文目線END】