「さっき、あの人たちから助けてくれた時……本当はすごく嬉しかったです」

 そう言われて、俺は当たり前のことをしたまでだ、とは思っていたのだが。

「刑事さん……なんでいつも、私の前に現れるんですか?  どうして?」

 いやいや、どうしてって言われてもな。

「どうしてって……それはこっちが聞きたいくらいだ」

 なんでお前は、いつも俺の前に現れるんだよ。 しかも事件を引き寄せてくるし。

  かと思ったら、急に「刑事さんは……運命って、信じますか?」 と聞かれるし。

「は? う、運命……?」

 何を言ってるんだ、コイツは。 なんか、おかしいぞ。

「私は……信じます。その運命を」

「おい……さっきから、なんなんだお前は。おかしいぞ」

 俺がそう言うと、澪奈は俺に「あなたのことが……好きです」と、想いを告げられた。

「……ん?」 

「好き……に、なっちゃったんです。刑事さん、あなたのことが」

 ……え? 今俺、告白されたのか? 

「こんなこと……言ったら困るのは、分かっていたんですけど。……でも、言いたくて。すみません」

 俺はその時、澪奈の腕を掴んで引き寄せていた。 なぜかそのまま、俺は澪奈にキスをしてしまっていた。

「っ……え? なんで……?」

「……俺にも、分からない。無意識だった」

 俺は無意識で、澪奈にキスをしてしまった。